【動画付きピアノレッスン】ツェルニー30番 2番の練習方法と解説
「ピアノ演奏テクニックの基礎」とも言われる「ツェルニー30番練習曲」を動画付きレッスンで一緒に学びましょう!
<レッスンの構成>
・この曲を学んで得られる効果&曲の解説
・演奏動画
・動画レッスン
・この曲で習得したい課題と練習方法
この曲を学んで得られる効果&曲の解説
①メロディーを美しく歌わせる奏法
②フィンガーペダルの技術に触れる
③メロディーと伴奏のバランスを学ぶ
「ツェルニー30番」の第2番は、美しい高音のメロディーを奏でる右手と、フィンガーペダルを伴った左手の伴奏の組み合わせです。
「フィンガーペダル」とは、足のペダル(ダンパーペダル)を使うほどではないけれど音楽的に重要な音を響かせたい時に、鍵盤を押してからもしばらく抑えたままに(=ダンパーを上げたままに)して鳴らした音を保つ高度な奏法で、バロック音楽や古典派音楽において重要な演奏法です。
ツェルニー先生の生まれる少し前の時代はピアノのペダルの機能はまだまだ発展途上にあり、フィンガーペダルはとても重要な演奏方法でした。
ツェルニー先生の生きた時代(1791−1857)は、産業や工業技術の大きく発展した時代で、ピアノという楽器の性能も大きく変化した時代でもありました。
ピアノの性能の発展と共にピアノ音楽の表現の方法もどんどん変化していく時代の中でもツェルニー先生は以前のピアノ音楽の表現方法も尊重し、あえてフィンガーペダルという高度な技術を「ツェルニー30番練習曲」冒頭で紹介されているところに、「音楽の美しい響き」への理解と挑戦に導く偉大な教育者の魂が見えます。
もちろんフィンガーペダルは高度な技術ですので、このエチュードでは完璧を求める必要はありません。
まずは、「こういう演奏法もあるんだな」と知ることがゴールです。
それでは、演奏動画を視聴してみましょう。

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演奏動画
動画レッスン
この曲で習得したい課題と練習方法
「第2番の練習曲」の課題を一つずつ見ていきましょう。
課題1:右手のメロディーを歌わせる
ツェルニー先生はベートーヴェンの弟子でした。
ベートーヴェンの厳しいレッスンは有名ですが、ベートーヴェンがどんな時に怒ったかというと、「ミスタッチをした時」ではなく「表情なく弾いた時」でした。
暗譜も得意で聡明なツェルニー少年も、「表情が乏しい!」と怒られていたのかもしれません。
第2番の練習曲の楽譜をよく見るとたくさんの表情記号が書かれていますが、これは明らかにベートーヴェン大先生の影響が大きいのでしょう。
音楽の自然な流れを丁寧に記号に落とし込んでいる背景には、表情をつけて弾くことがいかに大切かを身をもって経験したツェルニー先生からの大切なメッセージが隠されています。
1フレーズごと歌心を忘れずじっくり練習しましょう。
課題2:フィンガーペダル奏法に触れる
三連符の初めのバスの音を少し長めに弾く意識を持って練習します。
三連符最後の音あたりまでバスの音は保持しましょう。
5の指を弾く時も指をしっかりと動かし、腕から押し付けないようにしましょう。
鍵盤を抑えている間は、腕の重さをかけないように気を付け、手のバランスが保てる程度の力加減を見つけてください。
もちろん、肩甲骨・鎖骨から手・腕全体のバランスを支えることが重要です。
課題3:メロディーと伴奏のバランスを整える
美しいメロディーと軽快な伴奏が弾けるようになったら、メロディーと伴奏のバランスを見つけていきましょう。
伴奏がうるさすぎたり、メロディーが貧弱すぎたりしないように気を付けます。
自分の演奏を録音して、メロディーと伴奏をどのくらいのバランスで弾いたら良いか第三者の耳でチェックしましょう。
その他ポイント
左手の伴奏を弾くのは非常に難しいので、最初から完璧は求めないでください。
それよりも、表情豊かなメロディーが弾けることへ意識を持っていきましょう。
表情豊かなメロディーが聞こえてきたら、きっとツェルニー先生も丸をくれると思います。
ツェルニー30番を学ぶ時、最初からこだわり過ぎないことがポイントです。
第1番のレッスンでも書きましたが、「ピアノが上達する人」=「良い練習ができる人」です。
「完璧に仕上げる」のと「良い練習」は別物ということを忘れずに!
「練習とは出来ないことを出来るようにすること」です。「出来ないこと」を一つ一つ見つけて、「出来るようにしていく」ことで、いずれは完璧に仕上がっていければ良いのです。
まずは目の前の大きな課題にフォオーカスして腕を磨きながら、あなたのピアノが上達する過程を楽しみましょう!
ツェルニー30番練習曲の練習にオススメの楽譜
「ツェルニー30番練習曲」を学ぶ際には、音楽之友社から新しく出た楽譜を使用することをオススメします。
解説も詳しく、譜面も見やすく構成されており、価格も安く実用的な価値が非常に高いです。
標準版ピアノ楽譜 チェルニー30番 New Edition 解説付