作曲家プロフィール大全集

アルベニスの人物像|生涯と作品【作曲家プロフィール】

Isaac_Albéniz

作曲家プロフィール:アルベニス

名前:イサーク・アルベニス(Isaac_Albéniz)

生誕:1860年5月29日 スペイン王国、カンプロドン

死没:1909年5月18日(48歳没)フランス共和国、カンボ・レ・バン

職業:作曲家、ピアニスト

特技:ピアノ、作曲、放浪

先生:ルイ・ブラッサン、フランソワ=オーギュスト・へファールト、(フランツ・リスト)、フィリップ・ペドレル

弟子:セヴラック

Isaac_AlbénizIsaac_Albéniz



もくじ



アルベニスの生涯

イサーク・アルベニス(Isaac Manuel Francisco Albéniz y Pascual)は1860年5月29日、スペインの東北部カタルーニャ地方の小さな町カンプロドンに生まれる。

父親アンヘル・アルベニスは税官吏を職業としており、母親ドローレス・パスクアルとの間に4人の子供(女3・男1)をもうけた。

4人の子供たちは皆音楽の才能に恵まれていたが、中でもイサーク・アルベニスがピアノ演奏への才能が突出していたと伝えられている。

父親は息子の才能に気づき、早くから公開演奏の機会を設け、イサークがわずか4歳の時にバルセロナにある劇場で一人の姉と共に初めての公開演奏を行った。

6歳の時には母に連れられパリへ赴き、名教授マルモンテルに短期間師事した後、パリ音楽院の入学試験を受けるが、待機中にボールで遊び、音楽院のガラス(鏡とも言われている)を壊してしまい「子供すぎる」と入学を断られてしまう。

その後スペインに戻り、マドリードにある国立音楽演劇学校(現マドリード音楽院)に入学して学ぶが、もともと冒険好きな気質を持っていたイサークは度々寄宿舎から抜け出し、放浪しながらピアノを演奏していたという。

イサーク本人の話によると、12歳の時に放浪先のカディスで南米行きの船に忍び込み、船の中でピアノを弾きながらブエノスアイレス(アルゼンチン)に渡り、南米やキューバ、アメリカへ放浪の旅を続けたという。

12歳で密航して外国を演奏旅行して回るというのはあまりにも信憑性がない話だが、イサークの才覚と気質からしても、類まれな才能とキャラクターであったことは確かな様で、1875年(15歳)に大西洋を渡りプエルトリコ及びキューバで演奏会を開き成功した記録(新聞記事)は残っているという。

1876年、アルベニスは一時ライプツィヒ音楽院で学ぶが、その後ブリュッセル音楽院へと移り、1879年までピアノ、和声学、ソルフェージュなどを学ぶ。この時、彼はスペイン政府からの奨学金を得ており、ルイ・ブラッサンにピアノを、フランソワ=オーギュスト・へファールトに作曲や音楽理論を学び、ピアノ科を首席で卒業した。



1880年の夏、20歳のアルベニスは敬愛したフランツ・リストへ会うべく、ブダペストを訪れる。実際に会えたのか会えなかったのかは定かではないが、リストにピアノを聞いてもらい、スペインや音楽などについて会話をしたことがアルベニスの手記に記されているという。

1883年アルベニスが23歳の時、弟子の一人であったロシーナ・ホルダーナと結婚し、バルセロナへ移り住む。また、この年にスペイン音楽の先駆者フェリーぺ・ペドレル(スペイン民族主義楽派)と巡り会い大きく影響を受け、本格的な作曲活動へ漕ぎ出す。

1885〜1889年、アルベニスはマドリードへ移り住み、コンサートピアニスト・作曲家・教育者として名声を挙げ、スペイン王家にも出入りし、貴族社会と関わりを持つようになる。

また、1888〜1889年にはフランス、イギリス、ベルギー、ドイツ、オーストリアなど国外へと演奏旅行へ乗り出し、各地で成功を収める。

1890〜1893年、アルベニスはロンドンへ移り住む。ロンドンの銀行家マニー=カウツと知り合い、多額の年金を受け取るのと引き換えに、文芸の才能のあったカウツの台本を元にオペラを作曲する依頼を受け、「ペピータ・ヒメネス」(1896年初演)といった作品が生まれた。また、プリンス・オブ・ウェールズ劇場の指揮者も一時期任されている。

しかし、1893年にいったんマドリードへ戻り、翌1894年にパリへ移る。



パリでは、それまでの演奏旅行で知り合った友人達や、フォーレ、ダンディー、ドビュッシー、ショーソン、デュカス等の近代フランス音楽の大家達と親交を結び、多くの刺激と影響を受け、アルベニス自身の作風も大きく変化していった。

1897年、アルベニスはダンディー率いるスコラ・カントルムでピアノ科講師となり、若きセヴラックもアルベニスに学んでいた。

しかしこの頃、アルベニスはブライト病という腎臓の病気を患い、ピアニストとしての活動を控え、教育活動も退き、順調に見えたパリでの生活も一変する。

1900年からしばらく、アルベニスは祖国スペインへ戻る。

しかし、病気は悪くなる一方で、音楽活動も思うようにいかず、1902年に再びパリへ、1903年保養のためニース、そしてピレネーへ近いカンボ・レ・バンへと移るが療養の効果は現れず、1909年5月18日、娘が庭先から切ってきた初咲のバラを見ながら、生涯を閉じたという。

バルセロナのモンジュイック墓地に埋葬された。

49年の輝かしくも短い生涯である。



アルベニスの代表的なピアノ作品

ピアノの名手であったイサーク・アルベニスだけあって、ピアノ作品の数がとても多いが、彼の生み出した膨大なピアノ作品の多くは、アルベニスがいかに巧みなピアノ演奏技術を持っていたかが垣間見えるような仕上がりを見せている。

アルベニスの特に代表的なピアノ作品と言えば晩年まで心血を注いだ「イベリア」(1905〜1909年)だろう。

「イベリア」は当時のスペインを代表する作品というよりも、時代を代表する歴史的な金字塔である。

民族的作風を超え、より近代的に洗練された作品であり、後の多くの作曲家に影響を与えた。

演奏面でも非常に難しく、複雑に交錯する声部を弾く手はアクロバティックに入り乱れ、時には片方の手の指をもう片方の手の指で「踏んづけて」弾かなければ演奏できないほど。

また、スペインの民族性溢れる生き生きとしたリズムや、高速で正確無比な連打の要求など、正に名人芸を求められる。

 

他にも、スペインの情緒を豊かに歌う「スペインの歌」や、民族性溢れる「スペイン組曲」も有名である。

 

また、難解な音楽構成や時に音楽理論から逸脱するかのような音を選んだアルベニスと彼の作品は、様々な版の楽譜が出版されているが、音やリズムが版ごとに異なっていることもあり、未だ未知数な面のある作品も多い。

もちろん、馴染みやすい曲や弾きやすい曲もある。

▶︎参考演奏:アルベニスの作品「秋のワルツ」



アルベニスのピアノ作品以外の代表作

オペラ;「ぺピータ・ヒメネス」(1896)、「ヘンリー・クロフォード」(1895)

管弦楽;「カタロニア」(1899)

他、いくつかの歌曲やピアノ作品をギター演奏用に編曲されることも多い

アルベニスに関するオススメの書籍や音源

アルベニスに関する書籍は日本ではなかなか手に入らないのが現状ですが、春秋社版やヤマハミュージックメディアの楽譜の解説は非常に質の良いものですので、是非参考にしてください。

 

アルベニス集1 (世界音楽全集 ピアノ篇 新校訂版)

 

 

アルベニス 旅の思い出/スペイン(思い出)/2つのスペイン舞曲 作品164

 

アルベニスを得意とするピアニスト達

アリシア・デ・ラローチャ

アルベニスと言えば真っ先に思い浮かぶのがラローチャ女史。

「彼女の手はオクターヴしか届かない」と言われるのが嘘としか思えない演奏技術の高さと、生粋のスペイン人で生まれながらにスペイン節を吸収しているラローチャ女史の音・リズムは聴いているだけでスペインの風を感じます。

 

アルベニス:イベリア 全曲

 

岡田博美

知る人ぞ知る日本を代表するピアノの名手。膨大なレパートリーを弾きこなすテクニックと視野から紡ぎ出される音楽は、日本人離れしています。様々なスペインの作品をリサイタルで取り上げたり、「イベリア」全曲録音のCDも出されている。

 

アルベニス:イベリア全曲

 

熊本マリ

5歳からスペインへ渡り学んだピアニスト。スペインならではの色あざやかな音色と、冴え渡るリズムが聴いていて心地良い。スペインの作曲家フェデリコ・モンポウ(1893〜1987)のピアノ曲全集の録音を完成するなど、スペイン音楽への造形も深い。



アルベニスと同時代の作曲家

・アレンスキー

・ドビュッシー

・ピエルネ

・マスカーニ

・ナザレ

・リヒャルト・シュトラウス

・グラズノフ

・シベリウス

・デュカス

・ニールセン

・カリンニコフ

・サティ

・グラナドス

・ブゾーニ

・ジョプリン

・ルーセル

・ゴドフスキー

・スクリャービン

・セヴラック

・ラフマニノフ

・レーガー

・ホルスト

・シェーンベルク

・スーク



ピアノスペース管理人より一言

アルベニスは「聴く人を幸せにする作曲家」であり、アルベニスこそ天才と呼べる。

参考文献・参考サイト

 

ピアノ音楽史事典

 

http://tower.jp/artist/100295/イサーク・アルベニス

http://www.ymm.co.jp/pianorg/composer/2

https://kotobank.jp/word/アルベニス-28645

https://ja.wikipedia.org/wiki/イサーク・アルベニス

https://enc.piano.or.jp/persons/10

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