【優しく美しく】「ブルグミュラー」の教科書|動画付きピアノレッスン
<レッスンの構成>
・この曲を学んで得られる効果
・演奏動画
・曲についての解説と演奏の手引き
・この曲で習得したい課題と練習法
この曲を学んで得られる効果
①装飾音の理解
②拍子感の理解
③ポルタート奏法の習得
「優しく美しく」を弾く上で必要なのは
1:美しい装飾音の演奏
2:正しい拍子感
3:ポルタート奏法
の3つの要素です。
音楽作品には数々の装飾音が登場しますが、中でもこの曲に出てくる「ターン」は最も美しいものです。
「ターン」とはその名の通り、中心となる音の上下を回る様な音の連なりであり、中心となる音の意味をより豊かに表現する技法です。
「優しく美しく」の冒頭のメロディーの本来の形は「ドーファーラ」というものです。
しかし、「ドーファーラ」だけではあまりにも単純であり、優美さが足りません。
そこへ、「ターン」を加えると見違えるほど優美な調べとなります。
音楽とは本当に不思議なものですね。
装飾音は通常、ある程度素速く弾かれますが、単に速く弾くだけではいけません。
軽快な動きの中にも、いつも繊細なニュアンスがある様に、最新の注意力を持って弾きましょう。
あたかも美しいシルバーの細いネックレスを扱うのと同じ様にです。
それでは、装飾音のニュアンスを意識しながら曲を聴いてみましょう。
演奏動画
曲についての解説と演奏の手引き
「優しく美しく」というタイトルのついた作品。
Moderatoの世界観の中、優美な装飾音が特徴的な美しい曲です。
それぞれの装飾音の味わいを見つけながら、演奏していきましょう。
また、伴奏や中間部の和音の連続するフレーズにスラーのかかったスタッカートがあります。
これを「ポルタート」と言い、音と音の間に柔らかな空間・空白を開けるように演奏します。
おおよそもともとの音価の2/3〜3/4程度で音を鳴らすのを止めるように演奏しますが、大切なのは音を止めるときのニュアンスです。
スタッカートは割合はっきりと音を切りますが、ポルタートは余韻を残すように柔らかく音を止めます。
また、11・15小節目はどうしても3拍子を失って演奏しがちですので、ほのかな拍子感を持って演奏しましょう。
この曲で習得したい課題と練習法
装飾音へ美しいニュアンスをつけて弾くことが、この曲の課題です。
長く伸ばす音を弾いている間、鍵盤の底を押し付けず、自由に動き出せる態勢を作ります。
装飾音の細かい各音を弾く時、それぞれの音が一番弾きやすいポジションを、ささやかな手の移動を伴って通過しながら奏しましょう。
最初は装飾音なしで練習し、音楽の骨組みを理解します。
その後に、装飾音をつけて表現を深めていきましょう。
各小節に出てくる8分休符をしっかりと感じながら、心地よい3拍子の刻みを作っていきましょう。
ペダルの使用は最小限にとどめ、タッチで音色と表情をつけていきましょう。
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